今回は岡山市で工事させていただいた「植栽のメンテナンス・整備」についてご紹介します。
お庭は完成した時がゴールではありません。そこから植物たちが根付き、時間をかけてゆっくりと育っていく過程を楽しむものです。月日が経つにつれて緑が建物を包み込む。自然素材の味わいが増していく「経年変化」こそが、エクステリアの本当の美しさだと思います。
一方で、環境に合って元気に育ちすぎたり、逆に少し調子を落としてしまうことも。自然を相手にしているからこそ起こる変化です。「手入れに追われる」とネガティブに捉えるのではなく、お庭が次のステージへ進むためのポジティブな「アップデート」として、今回の事例を設計者の目線からご紹介します。
まずは、お家の顔となる門まわりのアプローチ部分です。


施工前も植物のエネルギーを感じる状態でした。しかし、少し植物が大きくなりすぎ、直線的でモダンな建物のラインに対して、やや窮屈な印象を与え始めていました。
そこで今回は、調子を落としている箇所や大きくなりすぎた植物を思い切って整理。「引き算」をすることで空間の余白を生み出す設計に切り替えました。


植物のボリュームを抑えることで、上質な門柱のタイルや、足元に敷き詰めた黒い石のシックな美しさが再び際立つようになりました。
アプローチ脇に新しくお迎えした植物は、銅葉が美しい「コルジリネ」のみです。ツンと上に向かって伸びるシャープな葉のラインが、建物のモダンな外観と見事にリンクし、洗練されたスマートな印象を与えてくれます。風通しが良くなったことで、残した植物たちもより健康的に育ってくれるはずです。
続いては、室内からも眺めることができる中庭(坪庭)のスペースです。

こちらは以前、シダ類などが足元を覆うように茂っていました。ここでも一度植物を整理し、風情を感じられる静かな空間へと再構築しました。


元々植えられていた美しい樹形の「ツツジ」は、お庭の主役としてそのまま生かしています。その足元には、日陰〜半日陰の環境でも健やかに育ち、和のしっとりとした雰囲気を演出してくれる植物たちを厳選しました。
丸みを帯びた艶やかな葉が美しい「ツワブキ」。空間をきゅっと引き締める「リュウノヒゲ」。冬から春にかけてひっそりと花を咲かせる「クリスマスローズ」。そしてダイナミックな葉がアクセントになる「ハラン」。どれも日本の気候に合いやすく、派手さはないものの、季節の移ろいや光の加減で様々な表情を見せてくれる。そんな魅力ある植物たちです。
そして、この坪庭の新たなフォーカルポイント(視線の集まる場所)として選んだのが、オンリーワンの照明「信楽のあかり 素焼き5型」です。
プラスチックや金属にはない、土を焼き上げたテラコッタ調の素朴な質感。和の植栽や足元の洗い出し、砂利と自然に馴染みます。時間とともに少しずつ苔むしたり風合いが変わっていく様(エイジング)も、こうした自然素材のアイテムならではの楽しみです。
夜になれば、信楽焼のスリットから漏れる温かい光がツツジの枝葉を下から柔らかく照らし出し、室内から眺める景色をより一層豊かなものにしてくれます。
今回は、大きくなった植物を整理し、空間に新たな風を入れる植栽のアップデート事例をご紹介しました。
「植物のメンテナンス」と聞くと少し大変そうに感じるかもしれませんが、時々少しだけ手を加えてあげる。すると植物たちはより美しい姿を見せ、お庭全体が洗練されていきます。完成した時よりも、5年後、10年後の方が魅力的になっている。そんな「時間が味方になるお庭」を、これからも皆さまと一緒に作っていきたいと考えています。
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倉敷市を中心に、岡山市・総社市など岡山県全域で外構・エクステリア工事に対応しています。
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